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物語の源流

Img_2289 ラオスと深くかかわるようになったのには、さまざまな要因がある。最終的にラオス独自の表現集団に出会い、今までの表現を180度変えてゆくことになったが、それより6年ほど前に、ウー河という河沿いに住む人々と出会った。

そのころ村は、森の中にひっそりと存在し、電気も水道もなかった。人々は、森と川の恵みだけを受けてくらし、貨幣さえも冠婚葬祭のときに水牛を売るくらいで、他には存在しなかった。朝早くから、急な山の斜面で、熱い日差しを受けながらする畑仕事は、想像を絶する厳しいものだった。しかも、そこで作られた農作物は、売られることはなく、家族で食べるためのものであった。

しかし、人々の暮らしは力強く、生命力にあふれていた。山の仕事はきついが、夕暮れに里に帰り、水を浴び、火をおこして夕餉の支度をし、ほの暗い小さな明かりの中で人々は手製の楽器を演奏し、歌い、踊った。Img_2236_2

何度も通っているうちに客扱いされなくなり、家族の一員として当たり前のようにむかえ入れられ、一人ひとりが抱える喜びや悩みが伝わるようになった。

ひさしぶりでゆっくりと訪れ、あらためてその場所が、私に与えた影響の大きさを感じた。しかし急激に変化する社会構造の中で、いままでの村の暮らしは崩壊しようとしていた。

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