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私は何者なのか?

ラオス劇団カオニャオが帰国して間もない折、知り合いの青年の悩みを知る。彼の両親は中国で生まれ育った。結婚して、ラオスに行き、商売が軌道に乗り始めたころ、ラオスに革命がおこり、難民として日本にきた。かれはたぶん日本で生まれた。家族は日本国籍を取得。その後、しばらくして日本企業の現地代表としてラオスに戻った家族は、その後ラオスで暮らす。彼はラオス語、日本語、中国語を普通に話す。今、日本に留学中。しかし、友人ができない。普通の日本名を名乗っているが、たしかに彼の文化的アイデンティティーは日本人ではない。

つい数日前まで、カオニャオと一緒に仕事をしていて、一日に10回は怒り狂っていた。ラオス的アイデンティティーの彼らに、日本のシステムの中でお行儀よく、失礼なく仕事を遂行してもらうためには、わたしは怒鳴る必要がある。彼らの価値観、時間の流れ、人間関係のとり方は、日本と全く異なる。これは愛や信頼などで乗り越えられるようなものではない。そのことを痛感した直後にきいた青年の悩みは重かった。

「私は何者なのか?」と彼はきいた。本当にそのことを考えた経験が自分にはない気がする。

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