考える森、直観の森
世田谷美術館に友人のダンス公演を観に行った。美術館は砧公園の中にあり、ダンス公演のコンセプトも「場」に深くかかわっていた。広い公園内で迷いやっとたどりついた私は、彼女のダンスを観て思う。日本の森、その中にある美術館や博物館は、自分と自然と作品が向きあい思考する場所である。何も考えずに行っても、いつのまにかそのような状態になっている。
一方、ラオスの荒々しい森ジャングルは、思考するいとまがない。ぼんやりしているとあぶないので、直観を最大限に発揮して、周囲を一瞬で察知しながら、次々に変化する状況に対応していく必要がある。悩みや問題を抱えていても、ジャングルに4~5日はいって出てくるとすっかり忘れており、あまりに何も考えなかった数日に自己嫌悪になることすらある。
しかし、どちらもどちら、それぞれの価値がある。ラオスの人々がもつ直観的瞬発力のなぞが、少しづつとけてきた気がする。