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2017年9月

都会の子

ラオスも事情は日本と同じ。首都ヴィエンチャンで生まれ育っていた親戚の男の子は、テレビゲームばかりして外に出ず、すぐ疲れてしまうし、家事は一切できないし、いじめにもあっていた。その一家が1年半前、実家のあるジャングル村に帰るという。私は本気でその子が死んでしまうのではないかと思った。電気がやっと通ったばかりのその村。自然は雄大で美しいが、生活の厳しさは半端ではない。

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この写真は、そこを訪問した友人一家が撮影した子どもたちの写真。女の子達は日本人。男の子が件の子だ。まなざしが変わった。友人一家いわく、水汲み、弟の世話何でも率先しておこなう力強い子だったよ。感心しきり・・
 信じられない・・変わるのだ!!ほんとに心から驚いた。彼は写真のバックに映るあの森の中で力強く元気なのだ。

カミサマはゆらぐ。

 週末は近所の神社のお祭りだった。揃いのはっぴの方々が、元気に神輿をもんでいた。そういえば台湾でお祭りを見たときも、神輿のようなカミサマの象徴は、激しい爆竹とともにもまれていたなあ。


同じ日、日本人の方々が操るカンボジア大型影絵、スバエクトムを観に行った。スバエクの魅力は、たくさんたくさんあるけれど、大きな影が微妙に揺らぐ・・というのは大きい。神話の中のカミサマたちは、戦うときも、悲恋のときも微妙にゆらいでいるのだ。

ああカミサマはどこでも揺らされたり、ゆらいだりしているのだなあ・・と感慨深い??今日この頃。

友の描く絵

28歳の時、未経験な女性二人で当時約1年だけ解放されていた中国チベットにバックパックを背負って完全な自由旅行を決行した。その前も、その後今に至るも中国チベットでガイドという名の監視がない自由旅行は許可されていない。きっかけは、日本画の学生だった友がチベットに絵をかきに行くのにむりやり私が同行したのだった。旅は過酷で、ひ弱な私たちは、それぞれ旅先で倒れ、たくさんの方々に助けていただいたりした。その友は、いまや売れっ子画家である。私は彼女からたくさん影響を受けた。今回、宮部みゆきさんの小説「三鬼」の挿絵展だったので、たいへんひさしぶりに展示会にうかがい、久々に友に再会した。Photo_2

友は当時からは考えられないくらい多様な表現をしていた。しかし、当時からあった「光と影、そしてそのあわい」はずっと魂を保ったまま、ますます不思議な力をもっていた。私たちは、二人同時に言った。「あのころがベースになったよね。」まだまだ、なにがなんだかわからなかったが(今でもわからないが)少なくとも、あのチベットへの旅とその前後の数年が、私をアジアの古くからある感性に向かわせたと思う。

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