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高丘親王航海記

 澁澤龍彦著のこの物語は、昭和のおわり、そして澁澤氏の人生の終わりに書かれた小説だ。はじめて呼んだ時、ただおもしろいなあ・・としか思わなかった気がする。再読し、たしかに荒唐無稽な小説であるが、日本から、東南アジア、天竺ことインドを結ぶ広大なそれでいて結びつきながら動いていた地域の影響しあい、ゆさぶられていた歴史を、フィクションという形で描いていると強く思う。

 私はもともと理論派ではないが、最近ちょっとした創作に興味を持ってくださった方に「面白いけど、それはなに?」と聞かれて困ってしまうことが多い。東南アジアとの様々なコラボレーションや暮らしの中から、影響されて生まれてきたことは確かなのだが、荒唐無稽で説明ができない。しかし決して頭の中だけで想像して組み立てられたものではないのだ。この小説も、一見妄想のたまもの?のように見えて、ご自分の死期を予測し、それに向かって病院にいながらアジアを旅した澁澤氏の旅行記でもあるように感じる。

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