「寒い」という概念
もうすぐラオスからカオニャオ・デフのメンバーが来日する。聴覚障害の彼らは、テレビ電話機能を使用するためにスマホを持っているメンバーが多いが、つい最近まで文盲だったので、データとしてものごとを受け取ることがまだできない。先日ラオスで、今回初めて飛行機というものに乗って海外にやってくる彼らに「日本は寒い」と伝えようと試みた。かれらの「寒い」は20度くらいが限度。「全然体験したこともない寒さを理解するのは無理。」というのが彼らの意見。昨年3月に来日している同じくデフのカムクンに説明させると「日本では、みんな風が身体に当たらないように努力してるようなんだ。」とますます意味不明。寒さだけではない。さまざまな概念を知らない彼らに伝えてゆくのは、とてもたいへん。一方でデータだけやたらみて理解した気分になっている我々と違い、すべてを実感として受け止めていこうとする彼らの姿勢に、目が覚める思いだ。
« [ | トップページ | カオニャオ・デフの来日 »
「メコンの木霊(日記)」カテゴリの記事
- 初冬、夜の首都高(2023.12.08)
- 祈りが足りない。(2023.11.28)
- 理解できないから面白い?(2023.11.25)
- 来日したカオニャオ(2023.11.17)
- 魚のしっぽのスーツ(2023.10.31)