どこで牛を解体するか?
ベトナム人の方が日本のアパート内で牛を解体して逮捕された。逮捕理由は様々複雑なようで家畜の窃盗疑いもあり事情はよくわからない。しかし、この報道にドキッとする。ラオスでは自宅庭などで家畜を解体することは当たり前のことだ。わがカオニャオシアターが来日した時、コーディネーターの私が一番気をつけることは、彼らが目にする小動物を捕獲し、解体し、喰わないようにすること。嘘みたいだがほんとのことだ。
熱帯で冷蔵庫の普及がおくれていたため解体後すぐ料理する必要があること。自宅で家畜を飼っている事。などが理由だが、トーと私のユニット「チェオボン」リハーサルの昼食にトーは庭のにわとりをつかまえてひねり、おいしい料理を作ってくれることがよくある。彼らは、「早く」「美しく」「無駄なく」解体する。それでも不慣れな日本の都市生活者には衝撃的なシーンである。しかし普段私たちがスーパーで買って食べる肉類は初めから切り身なのか・・というと、それらも立派な生きた動物であり、どこかで解体されているわけだ。都市生活者はいろいろなものが目に見えなくなっていると思う。