« 子猫の鳴き声 | トップページ | 東京の空 »

生身

 6~7月は、休みなく医療の仕事をする。一日に200人近くの生身と接する。基本はデータだが直に接していると人は一人ひとり違うのだ。一人一人が今、目の前に存在し それぞれが違うことを感じ 身体の中も別々なのだ。時々、血が噴き出すことがある。コロナ禍の今、他人の血に接することは危険なのだが、医療者は避けて通るわけにはいかない。先日も採血あとから血が噴き出た女性がいて、飛び出していって吹き出す血を抑えつけた。かなり強い力で押さえたので痛かったと思う。ゴム手袋を外していたので直に押さえるとその女性は涙目になりながら「私の中を流れている血を、あなたが直接押さえてくれているのですね。」と言った。処置することに集中していたのでその時はなにも感じなかったが、落ち着いて後から考えるとなにかとても大切なコミュニケーションをしたような気がする。

« 子猫の鳴き声 | トップページ | 東京の空 »

メコンの木霊(日記)」カテゴリの記事

プロフィール

無料ブログはココログ