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25年前の洪水

 本格的にラオスで仕事をするようになって25年になる。少しづつ言葉を学びながら子供たちの情操教育クラスを開いていた。一番初めに覚えた言葉は「雨」「風」「空」「月」「トイレ」それだけ自然との付き合いが濃厚だったということだ。そしてまだ会話がほとんどできない頃から「洪水」という言葉を知っていた。ある日、パントマイムとパネルシアターを駆使して「三匹の子豚」のお話をしていた。電気がまだ来ていない山の村だった。子どもたちは言う「レンガの家はダメだよ!(ご存じだと思うがお話ではレンガの家を作った子豚が正解)洪水でこまる。」ラオス1の大河「メコン」は「母なるコン」という意味。なぜなら雨季に必ず氾濫し豊かな土を野山にいれてくれるから・・つまりそのころ洪水は来てくれるものでさえあった。人々は簡単な竹で編んだ家に住み、洪水が近づいたら身の回りのものだけ持って山に登った。空っぽの家、乾季に渡した竹の橋などはみんな流れて行った。それは毎年おこる当たり前のことだった。子どもたちは言った。すぐ流れていくものでなければだめだ。

今、山の村にも電気が通り、家々にはテレビや冷蔵庫がある。背負って山に逃げられないので、頑丈なレンガの家を建てる。しかし洪水は以前より頻繁になり、規模も大きくなった。洪水ということばがもつイメージが大きく変わっていく。

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