恋する惑星
動けないので昔のことばかり書いてしまうが、ふとキョーレツに思い出したのは 初めて香港に行った思い出。1989年だ。もちろん英国領香港。そして只安かったという理由で、私はチョンキンマンションの恐ろしく汚いゲストハウスに泊まったのだ。翌年、ウォン・カーウエイは取り壊される直前のチョンキンマンションを舞台に「恋する惑星」を撮影する。夢のような雑然が、不思議な雑多があふれ、流れるように動きすべてがインチキなのに美しかった香港。いざそのゲストハウス、確か11階に上がろうとして鎖の扉がついた(しかもその扉が手動式)エレベーターがガゴガゴガゴと恐ろしい音を立てて降りてきた時のショックが忘れられない。そしてまた見たこともないくらい古ぼけて汚れ切っていたチョンキンマンションをそのまま、あんなに美しくロマンティックに映画にしてしまったウォン・カーウエイ・・それらすべてがとてもショックだった。
« 地球の歩き方 | トップページ | 敵、または裏切り者とはなにか? »
「メコンの木霊(日記)」カテゴリの記事
- 初冬、夜の首都高(2023.12.08)
- 祈りが足りない。(2023.11.28)
- 理解できないから面白い?(2023.11.25)
- 来日したカオニャオ(2023.11.17)
- 魚のしっぽのスーツ(2023.10.31)