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「固有の文化」ってなに?

 言葉を訳していると日本独特のものの考え方に疑問を持つことが多い。そのひとつが当然のように新聞などメディアで使用される固有の文化ということば。たとえば「着物は日本固有の文化です。」これはわかる。なぜなら島国日本では文化としての着物は海を越えない。外国の方が着ていてもそれは日本文化の一環として着ていることになる。しかし世界を見渡すと、民族も国境も移動してゆく。たとえば北京オリンピックで中国少数民族紹介があり朝鮮族の方がチマチョゴリを着て登場した。このことで韓国と中国はSNS上で炎上した。そこには様々な複雑な事情があり詳しいことは私にはわからない。しかしその事件を日本のメディアは「韓国固有の文化であるチマチョゴリ・・」と解説している。それこそ様々な事情があり中国には100万人をこえる朝鮮族の方々が中国籍をもって居住している。その方々が行事の際などに韓服を着るのは中国にとっても当然のことで、本人たちは中国籍であることを当然のことと思っている。ラオスではこのようなことがもっと複雑怪奇におこる。トーは自分たちの表現を先祖から伝えられてきた文化に由来すると考えているので、そのような発言を多くするが私はどうしても「オリジナルな文化」としか訳せない。字幕作成時、ドキュメンタリー制作のベテランに「ラオス固有の文化」と訳せばいいじゃないですかといわれ、うまく説明できなかった。人数からいうとラオス国にいるラオ族よりもタイ東北部にいるラオ族の方が多いし、もちろん同じルーツなので文化は重なる。また劇団メンバーには少数民族の方が複数いてその人たちにも共通の表現である。世界は日本で当たり前と考えている事より複雑なのだ。

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