仮装
ハロウィーンで町には仮装した老若男女があふれている。40年前、いちおうパントマイムで仕事をするようになったころフェイスペイントするものもなければ、コスチュームもなかった。コスチュームは借りたり自分で作り、歌舞伎の化粧道具でとりあえずピエロのメイクを作った。肌の弱い私は化粧品に負けてピエロではなく四谷怪談になることもあった。一方、まだ町では変わった格好をする人などいなかったので、立っているだけで人垣ができた。パフォーマンスを仕事にしたかったくせに、人前に出ると顔を上げることもできなかった私は、絶対に!!仮装することが必要だった。自分ではない人格。夢の中の自分にならないと人の前に出ることができなかった。今考えるとむちゃくちゃな気がする。