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はじめてラオスの実家に滞在したのは1998年だ。電気水道がなく道路がなく100%河に依存して自給自足の生活をしていた村の死生観、価値観のあまりの違いに衝撃を受けた。河には魚やノリが豊富で、森には動植物があふれていた。それから14年。どんどん変化していったが数年前に中国ダムを建設してからの変化は、生活基盤があっという間に次々にひっくり返るものだ。現在、水量の変化、水質の変化のため河に魚はほとんどおらず、村自慢だったノリも存在しない。なによりも彼らを語るとき「コメ作り農家」と紹介してきたが、現在コメを 一粒も作ることができない。これが暮らしだ。と頼ってきた依り代がすべて失われてしまう状況。それは人間性さえも変えざるを得ない。経済を加速させることのみ。それはすでにアリ地獄に落下し自動的に飲み込まれていく以外人間にはどうしようもない現象・・すでに政治や理性や欲望など超えてしまっているのではないかと感じた。
ラオスでのこと、さて今からパフォーマンス録画だ。という折、トーが溺愛する愛娘のきげんが急に悪くなる。ウギャ~と泣き出し録画ができない。監督トー、私に「道に迷った猫の歌を日本語で今すぐ歌ってくれ!!」「なんやそれ??」「早く頼むよ!!」あてずっぽうで歌いだす。「迷子の迷子の子猫ちゃん、あなたのおうちはどこですか?」あたり!!だんだん泣き止む。よかった。どこでこの歌を聴いたのか不明。しかしさすがトーの娘。正しい日本語で歌われないと「インチキ!!」と騒いでますます悲劇になるとのこと。それではですね。普段、私が不在の時はこのおまじないな無効なわけだ。そしてある晩、ホテルに帰ってビールを飲み疲れた寝ましょうと思った矢先、トーから電話が入る。後ろでは泣き叫ぶ愛娘の声が・・「う・・うたってくれ!!」ふざけんなよ!!
カオニャオシアターの創作道具を集めに行くことになった。ほしいのは竹細工をつくるときにでるクズ竹の方で竹細工屋さんにすればごみなので大喜びで大量に持って行ってほしいとの依頼。メンバー一同車に乗ると運転手トー様宣言「今日は高速で行く。」一同大歓声!!そうなのです。最近ラオスに初めて高速道路が開通しました。しかしラオス感覚から言うと、そりゃ高速使いたいけど、道走っただけで金払うのはちょっとねえ・・なので旧道は混んでいるけど高速はガラガラ。トー様130Kでブイブイ飛ばす。一同大興奮!!しかし、高速だが高架ではない。周りでは田植え中。なので、私は予想していましたよ。突然、牛の集団が高速を横断し始める。低速歩行。牛歩っていうくらいだからね。当然動かなくなる車。私が笑い出すとみんなが「何笑っているのかなあ?」という反応。そりゃ牛、ヤギ、水牛道渡るでしょ。そしたら止まるでしょ。あたりまえ。それがラオス方式。集めに行ったのは写真の枠に映っているポヤポヤしたクズ竹です。