薬の力
ずっと問題があった奥歯をやっと抜歯した。昨年は背骨を手術し、先日はコロナになり痛かったり、熱発したりと忙しいがいつも薬の力に唖然とする。特に鎮痛剤。モーレツな痛みが30分後に鎮まる。そして抗生物質。でかい奥歯を無理やり抜歯したのに化膿することもなく翌日は普通に働いていた。たぶん普通に日本で暮らしている人は、あんがい当たり前だと思っているかもしれない。しかしラオスで歯痛をはじめとしたさまざまな痛みに苦しんでいる人、そして痛みは治るまで続くのが当たり前だと思っている人たちを見ていると私たちがあまりに医学の力で楽をしていることに驚く。たぶん戦場で負傷した人の多くはその傷の化膿から敗血症になり命を落としているはずだ。そして命を守るアオカビたち、抗生物質が誕生してまだ100年程度しかたっていないはずだ。以前は結核をはじめとして感染症になったらかなりの確率で助からなかった。私自身結核既往歴があるが、結核自体で「死」を考えたことはない。しかしこれが決してあたりまえのことではないということを認識したいと思っている。